好きな人 急: 一生

心がガラスでできていると、簡単に打ち砕かれるのでしょうか。

その度に強化していくけれど、ガラスには変わりありませんでした。

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繊細であり、強くもある。

さっきまで冗談を言ったかと思ったら、すぐまじめになったりする。

自信たっぷりの時は感情を露わにし、傷ついた時はそれを隠そうとする。

実はあまり、自分に自信がないのかな…

解っているのに、分からない。

似ているようで、まったくの正反対。

わたしにとってある意味、つかめない所があってミステリアスな人でもあるけど、芯はまっすぐで、正直で。

その人となりは、なかなかいないと思う。

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時々、子供っぽい表情を見せる彼は、頼れる男性です。

基本、なんでもできる。

頼めば、彼にできることならどんな事もベストを尽くしてくれる。

要領もいい。

相手の喜ぶ顔がきっと好きなんだと思う。

誰かの力になれることに喜びを感じるのでしょう。

わたしなんか、迷惑ばかりかけてるのに、ヤな顔ひとつしない。

ごくたま~にグチ言われるけどね。

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正義感が強くて、弱い者を見ると助けたくなる、守りたくなる。

怒る時は相手がよっぽど理不尽な時か、自分がすごく傷ついた時。

誰かが傷つくようなことは、なるべく避ける。

平和主義なのでしょう。

不可能だとわかっていても、全てが丸くなるように努力をする。

どんな事でも最善を尽くす。

愛にあふれた人。

これがわたしから見た「彼」という人なのです。

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※※※

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あとがき:

なぜか、どうしても素直になれない相手っていますか?

伝わらない、つながらないんだろうなと思う人っていますか?

それでも一生変わらないと感じる気持ちがあると思いますか?

変えようとすればするほど、離れようとすればするほど、近づいてしまう存在って…居ますか?

近づこうとすると、今度は見えない壁に隔てられてしまうことってありますか?

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初めから、彼とわたしは、そんな関係にあるように思います。

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近くにいるとどうしても魅かれてしまうから、距離をつくる。

せつなさで造られる壁は分厚くなる一方です。

今、何センチかな?

はたまた何メートルかな?

それを造っている自分を、バカだと思います。

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本気すぎる恋は心を砕きます。

彼のことを、本当に好きになりたくはなかった。

けれど、いっぱいいっぱい苦しくても、好きになって本当によかった。

出逢えてよかったと思える――そんな人なのです。

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彼は、わたしの好きな人であると同時に、最も尊敬する人であり、人としての鑑でもあります。

それは順風満帆な人生を送ってきたからではない。

逆にそうでないからこそ、その分、人より感情豊かで、人一倍素晴らしい心を持っている。

決して、「好きな人」だからではなく、人として、彼を好きになったことにより沢山観ることができて、沢山学ぶことができた。

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そんな人に特別に思ってもらえることが、とても幸せだと感じています。

だからかな、ときどき、壁を砕くハンマーがほしくなる。

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好きな人 破: 理想

彼はわたしの前を歩かない。

よっぽど狭い道とか、先導してる時は別だけど。

いつも隣合わせで歩いてくれる。

あれだけ長い足をしているのに、ただでさえ歩くのが遅めのわたしに、どれだけ合わせてるんだろうと、いつも秘かに感激していた。

もちろん、それはわたしにだけじゃないことは容易に想像できる。

だって、そういう人だもの。

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この事に気づいて、一度だけ、意識してゆっくりめに歩いた事がある。

その時彼は半歩前を歩いていた。

わかりやすい人だなぁと、初めて思った。

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「何かあった時には俺がいるから」

一緒に歩いているとまるでそう云われているかのような安心感を得られるのも、彼の魅力のひとつです。

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彼はよく周囲を観察している。

人を、物事を観察するのが好きだって、いつか言っていた。

どんな髪型が似合うかなんて指摘するのは彼ぐらいです。

そしてよく人を見る。

じぃーっと。

堂々と、まっすぐに。

「だって見たいんだもん、見るよ」とでも語っているかのような目つきで。

でもそれが好き。

チラチラ見られるのは、あまり好きじゃない。

見たいのなら、じっと見てればいいと思う。

もしくは見ないか。

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そして、レディーファーストも彼のいいところです。

わたしは上海人ゆえに、レディーファーストは当たり前の事だと思っていた。

日本ではあまりそういう慣習がないことを、大人になってから気がついた。

わたし自身控え目なところがあるから。

「われさきに」というのは少し苦手です。

特に男性がそうなっていると、引いてしまう部分があります。

※男性をたてるのは女性の役目ですが、それとは違います。

彼の気遣いは、他の人にはなかなか真似できないでしょう。

いつも相手が先で、自分が後。

イギリスに行っていたことが彼をそうさせてるのでしょうか。

彼の本質がそうなのでしょうか。

彼は、欧米人ばりにドアを開けてくれる。(一例)

そういう時はいつも「ありがとう」を意識してるつもりなのですが。

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なによりも驚いたのは、初めて彼が上着を着させてくれたときでした。

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――これは、今まで誰にも話したことがないのですが、高3の冬にアメリカに行ったときの話です。

食事に行った先のお寿司屋さんで、わたしたちが座るテーブルの横のカウンターに4、50代ぐらいのアメリカ人夫婦が背を向けて座っていた。

食事を終えお会計を済ませて、席を立つ時、その男性はご夫人の椅子をひき、彼女を立たせた。

手にはコートを持ち、彼女に着させてあげたのです。

その後はもちろん、扉を開けて、彼女を先に通してから自分が出る。

二人の間ではそれは当たり前のことかもしれない。

とても自然なそのエスコートは、わたしの目には輝いて映り、焼きついた。

その時から、そんな関係がわたしの理想にもなっていた。

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扉をあけてくれる人はいても、上着を着させてくれる人は一人もいなかった。

幸運にも、そんな人にわたしは出逢いました。

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好きな人 序: 印象

前置:

これはわたしのリアルタイムの恋バナ(?)で、タイトルの通り、わたしから見たわたしの好きな人ですので、とても主観的になっています。

あしからず。

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※※※

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「シーリンが彼氏いないのってすごい不思議!」と、よく言われます。

そろそろいい「年齢」になってきたからだろうか。

この頃、周りがやけに早くパートナーをつくりなさいと急かしてくる。(主に親族)

わたしもそろそろかなと思いつつも、一歩前に踏み出せないでいるのには理由があるのでした。

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わたしの心には、男性がひとり棲んでいます。

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その人は、スラリと背が高く、スーツ姿がとても格好いいです。

彼はカジュアルが好きみたいだけど、わたし的にはスーツがべスト。

ロングコートもとても似合ってます。

例えば高級ブランドショップのショーウィンドウに飾る男性マネキン。

アレよりもスタイルがいいです。(本当に)

顔は面長で、鼻が高く、凛々しい眉と細長い目をしています。

優しい目つきと大きな口は男らしく、太陽が輝くような笑顔をつくります。

男は顔じゃない、笑顔なんだ。

これがわたしの彼に対する第一印象でした。

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いくつか年上なので、当たり前かもしれないけれど、彼は沢山のことを知っている。

わたしの知らない事をも沢山知っているので、話を聴くのがいつも楽しみなのです。

話題が絶えないから、喋り続けたくなる。

バンド、モデル、料理人など多趣味で多分野に渡って経験してきた彼は、人一倍知識が豊富だというのが、初めて彼の話を聴いた時に感じたことです。

けれど、決して鼻にかけたりしない。

出会った当時の彼は今のわたしと同い年なのだけど、どう生活したらそれだけの知識が身につくんだろうと感動したのを覚えています。

少年のように好奇心旺盛な性格が彼を作り出しているのでしょうか。

わからない事、知らない事、知りたい事はその場で訊く。

そんなこと、ふつー(知りあって間もない)女の子に訊くか?と思うような事でさえ、堂々と訊いてくる。

その、あまりにまっすぐな瞳にわたしは惹かれたんだと思います。

そして、やたら褒める。

ひたすら褒める。

この人は他人の短所を見ないのだろうかと、当時日記にも書いたことがあるのを覚えています。

でも、そうではないことを後に知った。

彼は他人の短所を長所に変える力をもっているのです。

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モテるんだろうな。

だからかな、絶対に好きにはなりたくないと、当時は思った。

(まー今でも思ってますけどね)

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人がどう思おうと、言いたい事は言う。

恥ずかしがらずに、堂々と、男らしく。

その人間性にも惹かれました。

「男だから」という彼の言葉がとても印象に残っています。

男性としてもそうですが、人として、とても格好いいと思いました。

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本を好きな彼に影響されて、童話とマンガぐらいしか読まなかったわたしは多分野の本に興味を持つようになった。

こうしてブログを書いているのも、実は彼の一言からでした。

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そして彼は女の子の扱いを心得ている。

それも自然体で。

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真冬の恋  2.Birthday(その1)

RRRRRR...RRRRRR...

年明け、静かなリビングで電話の音が鳴り響く。

「はい、もしもし」

「もしもし~!だれかわかる?」

一年ぶりの懐かしい声が誰なのか、すぐにわかった。

「Alan!」

「Yeah!」明るい声が受話器から聞こえた。

「Lyn!Happy new year!!」

「Happy new year Alan!」

あれから7年。

毎年、新年になると電話をくれるのが恒例行事になっているようにも思える。

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振り返れば、なつかしい色が蘇る―――

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Oaklandに着いて、二日目の午後だった。

ひとりで近くに買い物に行って、父の家に戻ると、知らないおばさんと母がリビングで談笑していた。

その奥に、Alanもいた…!

「Lyn!おかえり。こっち来なさい」

母に呼ばれて、戸惑いながらリビングへ入った。

「Alan…昨日会ったでしょ?」

昨夜帰ったあと、お母さんにダンスパーティーのことを話していた。

「こちらがAlanのお母さんよ」

隣にいるその人をさして、母が言った。

「あ!おばさま!はじめまして」

「あなたがLynちゃんね!ふふ、『はじめまして』じゃないのよ」

「え?」

どういうことかわからず母の方を向くと、母は笑いながら、

「そうよ。まだ赤ちゃんの時に会ったことあるのよ。Alanともね

驚いてAlanを見た。

「そうみたいだね」

彼もついさっき知らされたようで、微笑んで、

「僕はおばさんに抱っこされたこともあったらしいよ」

父親同士が親友だから、昔はかなり親交があったことをこの時に知った。

ウチの両親が離婚してからは全くつながりがなく、十年前にAlanが両親とともにアメリカに移住してからは父とも連絡が絶ってしまったが、父がアメリカへ行って、偶然の元再会したらしい。

「ただいま」

ガチャリと扉が開いて、父とその秘書――Cindyが帰ってきた。

「おかえり」と、わたしが応えた。

「あ、先生、おじゃましてます」

Alanが挨拶して、父はおばさまとも挨拶を交わした。

父は小さな会社を経営していて、どんなことをしているのか詳しくはわからないけど、Cindyと二人で切り盛りしている。

Cindyはわたしと10程しか違わないが、住み込みで父の身の回りのことも世話しているらしい。

二人が恋人の関係だと後に父から聞くことになった。

「そうだ、先生」

Alanが父にお願いを言った。

「明後日、ここを借りてパーティーを開きたいんだけど、いいですか?」

父の家は会社も兼ねていて、リビングはお客さんなどを呼んでパーティーができるように少し広めの造りになっている。

「ああ、いいよ!その日は仕事でOaklandを離れていないから、好きなように使いなさい」

どうやら、父の家はもともと小さなパーティー会場として貸し出すことがあるらしい。リビングや寝室、主賓室以外に娯楽部屋もある。

「そうだ、Lyn!」

Alanはわたしの方を向いた。

「その日、予定がなかったら君も参加しなよ。JoeやFrankyたちも来るからさ!」

「え!…えっと…」

いいのかなと思いながら母の方に顔を向ける。

「楽しそうだし、参加しなさい。それに私の記憶が正しければ…」

母はAlanを見て、

「その日はAlanの誕生日でしょ?」

「はは。おばさん、よく覚えてますね!」

Alanはなんだか恥ずかしそうに後ろ頭をかきながら言った。

「もう20になるのに、まだ子供みたいに…」

おばさまがあきれたような口振りで続けた、

「彼女だってまともに作らないで…!」

「なに言ってんだよ!いるじゃん、彼女」

おばさまがAlanの彼女に不満を抱いてる話を耳で聞きながら、彼女がいるということに驚いた。

いや、驚くほどのことではなかった。

二十歳前後の健全なる男子が彼女の一人や二人、いても、ちっともおかしくない。

「Lynちゃんみたいな子にしなさいよ」

「……!」

目が合って、彼は困った顔で笑った。

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12月22日―――彼の誕生日がやってきた。

Oaklandの冬は肌寒いと感じることはなく、気持ちいいぐらいの風が潮の香りを乗せて吹いてくる。

その日、朝から父とCindyは仕事で家を空けた。

時差ボケがまだ完全にとれていないわたしと母は布団の中にくるまったままだった。

ピンポーン。

呼び鈴に起こされて、寝起きの顔で扉を開けた。

「Morning!」

「Alan!!お…おはよ…」

急にAlanが目の前に現れるので、一瞬にして目が覚めてしまった。

「はは、ごめんね、…起こしちゃった?」

「え?」

「めがね」

彼は自分の顔に手をかざし、メガネを直すしぐさをした。

「あ…!」

「ど…どうぞ……」

ずれていたメガネを直しながら彼を部屋のなかへ通した。

「父さんが先生に借りた本を返しに来たんだ」

「あ…」

さっきから、緊張のせいか、うまく言葉を口にしていない。

「ついでに迎えにきたんだ」

「え!?」

なんの話かわからず、戸惑ってしまった。

「今日のパーティー、ここでするだろ。それまで友達らがウチで集まってみんなでランチするからさ、Lynもおいでよ。紹介するよ」

「えっと……」

見知らぬ人たちの集団が苦手なわたしはどうすればいいのかわからず、うまく反応ができなかった。

「…予定があるんなら仕方ないけど…」

「行っておいでLyn」

母が起きて、部屋から出てきてわたしに言った。

「折角だし、今日は予定ないでしょ」

「あ、うん…じゃあ…」

彼の方を見て応えた。

「あ!おばさんも一緒に行こうよ!一人で家に居てもつまらないし、ウチなら母さんも居るし」

彼は母も誘って、着替えを待ってひとまず家をあとにした。

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真冬の恋   1.出会い

運命の出会いだと思った――――

パパ主催のパーティーで初めて会ったその人に、私は一目惚れをしてしまった。

「父さんの親友の息子のAlanだ。お前より一つ年上だ」

彼は友人2人と一緒にパーティーの手伝いをしてくれたらしい。

182cmの長身、スラリと長い足、そしてクルクルの天然パーマは少し子供っぽいその顔つきを大人びかせていた。

優しく微笑む彼にどきどきして、じっと見てはいられなかった。

パーティー会場でぐるぐる廻ったり、知らない人とダンスを踊ったり、飾りのフーセンをいじったり…落ち着かなかった。

熱を冷まそうと、庭に出た。

芝生ロードの上を歩きながら、アメリカで見る初めての夜空を見上げた。

「何を考えているんだろう、私……会ったばかりなのに…」

会場を背にして、白い息とともに、ひとりごと。

この時、彼が私を見ていたことを知るのは、この少しあとだった。

夜11時半。

パーティーが開きお客様が全員帰ったあと、彼が片付け始めたのを見て、私も動き出した。

料理、食器、机、フーセン、そしてみんなで片付けたイス。

「アメリカは初めて?」

「うん、今日ママと着いたの…」

「どのぐらい滞在するの?」

「えっと…三週間…」

「へ~、じゃあ先生の所に泊まってるんだ?」

「うん…」

片付け後の会話は、うまく話せなかった。

「へ~先生の娘なんだ!日本から来たんだって?名前は…Lynだっけ?」

少し背の小さいFrankyと、太ってて大柄なJoeが話に加わった。

「日本の女の子ってみんな小っちゃくて可愛いよなぁ。今度誰か紹介してよ!」

気さくなJoeがそう言うとAlanは彼の肩を叩いて、

「Joe!お前彼女いるだろ!」

「こないだ別れたってこの前言ったじゃんか!」

「こいつ、浮気したから彼女に引っ叩かれてフラレたんだぜ!」

Joeに親指で指差して、Frankyが私に話した。

「あっ!てめー!んなこと会ったばっかの女の子にしゃべんなよ!」

Frankyの肩に手を回しお腹に拳を何発も入れたJoeを見て、思わずくすくす笑ってしまった。

「気にすんなよ。こいつらいつもこの調子だからさ」

会場の照明が消され、イスを収めた小部屋のライトをバックに、彼の笑顔がぼやけて一段とセクシーに見えた。

「ねー、何を話してるの?楽しそうだけど」

Melody―――彼女もパパの友人の子供。二つ年下の、ぽっちゃりした常にポニーテールを結ぶ女の子。

「Joeが彼女にフラレた話さ」

「Alan!お前もか!!」

三人が互いにタックルし合う場面を、私とMelodyは笑いながらじっと見ていた。

優しく微笑む彼、

友達に冗談を言う彼、

子供みたいに友達とじゃれあう彼。

初めて出会ったこの人に、私の鼓動は止まなかった…

後片付けが全て終了し、会場を出た。

「Alan、今日はありがとう」

「いいですよ先生。父さん来れなかったし」

パパは彼にお礼を言って、Melodyと彼女の母を家まで送ろうと私に伝えた。

「じゃあなLyn!…先生も」

「バイバイ~Lyn!」

そう言って、彼はJoeとFrankyを連れ、自分たちの車に乗り込んだ。

寒い星空の下、ヤシの木が風に揺らぐ音を聞きながら、彼の車が見えなくなるまでじっと見つめ続けた…

    12月19日――――USA.Oakland

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