詩×メルヘン×物語

おもい、こがれる

願いを叶えるジングスは世界にたくさんある。


けれど、わたしの願いを叶えてくれるジンクスは、きっとない。


たとえ流れ星が流れる瞬間に願い事を3回唱えられたとしても。


だって、わたし自身、それを叶えることができないのだから…


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「10年後の私へ」

『十年後の私へ…

拝啓

 今日でちょうど30歳だね。ハッピーバースデー!

人生の半ばへの第一歩はどんな気持ちですか?

嬉しいのかな?それともわくわくする?

30歳といえば、お母さんが私を産んだ年齢だけど、美怜はどうですか?

もう結婚してる?

だんなはどんな人?ママになった?子どもはかわいい?

私は子どもが大好きだからね!

私の理想としては、だんなはジャニーズ系のイケメンで、子供は今井翼似がいいな!

へへ、欲張りか!面喰いだからね。

 今の私にカレシはまだいないけど、いい感じの人はいるんだ!

彼の名前は間 徹さん。

同じサークルで、一つ上の先輩なんだけど、テニスがまたうまくてさ、この前の都大会で個人優勝したの!すごいでしょ!

今度関東大会にも出場するんだって!

カッコイイから地方新聞にも載ったんだよ!

そうねー、顔はブラピとココリコ田中を足して2で割った感じ。

ビミョーにかっこいいでしょ?

しかも優しいんだよ。

都大会の打ち上げでサークル仲間で飲みに行った帰り、先輩、飲まずに女の子たちを一人一人車で家まで送ってあげたんだ!

まー私としてはちょっとジェラシーだけど、カノジョはいないみたいだし…

ジェントルマンだよね。

は~、あの人の心をつかめたらいいな~。

ねー美怜、答えを教えてよ!

気になるよ。

美怜は今と同じ、楽しい毎日を過ごしてるのか、充実した日々を送ってるか、幸せなのか…

 じゃ、この辺で筆を止めようかな。

この後、サークルのみんなが誕生日を祝ってくれるんだって!

ふふ!すごい楽しみだ!!

 じゃあね!バイバイ!』

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秋が一層色づき始めた頃、古屋の庭先に、あの日植えた香り漂う金木犀の根元から二通の手紙が入ったガラスの瓶を掘り当てた。

淡い緑色のその封筒には、「2019年の藤森美怜へ」と記されていた。

そしてもう一通――淡いピンク色の封筒には、「2009年の藤森美怜へ」、そう記されていたんだ―――…

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『拝啓、二十歳の私へ。

 返事が遅くなって、ごめんね。

二十歳の誕生日、楽しかったでしょ?

すごい幸せだったよね!

友達の由歩に連れられて、間先輩の家でドッキリパーティーやったね!

美怜の大好きなスズランと風船がいっぱい飾り付けられた部屋に入った瞬間、感動で涙が止まらなかったね。

パティシエ志望の先輩は手作りのバースデーケーキを贈ってくれたよ。

本当に器用な人だよね。

ふふ、今思い出すと笑っちゃうんだけど、あの時は涙でケーキがしょっぱかったの。

初めて作ってもらったのに、味がわからなかったわ!

でもあの日以来、先輩は新作のデザートができると、私に味見させてくれるようになったよ。

半年後にはサークルも学校も辞めて、パティシエ修業のためケーキ屋に務めた時は本当にショックだった。

もう会えないんだと思うとひどく落ち込んだ。

でも、想いを告げずに別れるなんて絶対イヤだったから、勇気を出して先輩を誘い出したわ。

だけど、顔を見ると言葉なんて出ないものだね。

先輩は私の思いに察したんだろうね。

「付き合おう」と言ってくれたよ。

すごく、すごく、すごく嬉しかった!!

少しの間まったく言葉が出なかったのを今でもはっきりと覚えているわ。

 それから一年が過ぎ、二年が経ち、愛を育んだ私たちはようやくゴールイン!

たくさんの人に祝ってもらったあの時のことを思い出すと、今でも胸が高鳴るの…!

本当に、本当に幸せだった………

 でもごめんね…二十歳の美怜。

あなたからの手紙を読むことは、できないの…

2017年4月、私は医者に、先天性心疾患と診断されたわ。

本来手術をすれば確実に治る病気だったけど、発見が遅すぎたため、治療のしようがないんだって。

あと、半年の命なの…

けれど、心配しないで。

私は幸せだよ!

だって私の命を受け継いでくれる子が、お腹の中にいるの。もう8か月よ。

心疾患を抱えての出産はすごく危険だけど、きっと元気いっぱいの男の子が産まれるよ…!』

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今年、十歳になった男の子、間 道之くんは、古屋の縁側に座り込み、何かを一所懸命書いているようだ。

「道之、なにしてるんだ?そろそろお母さんの墓参りに行くぞ」

無邪気な道之くんは、持前の明るい声で言った、

「うん、待って!もうすぐ終わるから!」

紙を丸め、二通の手紙と一緒にガラス瓶に入れ、金木犀の木の根元に植え直した。

「道之ー、行くぞー!」

玄関先で呼ぶ父の元に駆け寄り、小さく呟いた、

「お母さんに届くといいな…」

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『天国のお母さんへ…………………道之より』

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太陽×月

わたしは月。

自ら輝くことはない。

だからでしょうか、太陽はあこがれ。

いつも、明るく光り輝く太陽を見つめている。

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大地を暖かく照らし、

命に元気を与える。

木々や草花、

小鳥やお魚。

そしてヒトも。

すべてがあなたを必要とする。

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少しでも近づきたくて、あたしは手を伸ばそうとする。

けれど、いつも届きそうで、届かないよ。

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あなたが昼を、あたしは夜を。

大地を照らすという、同じ目的を果たすことで、少しでも近くに感じていられる。

でもそれは、あなたがいるから、わたしがいる。

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だけど、わたしが現れると、あなたは消える。

あなたが現れると、眩しすぎて、わたしは影に隠れることしかできない。

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対照的なあたしたちだから、巡り合うことはできないのでしょうか。

それでもやっぱり、あなたを見つめるよ。

それはきっと変わらない。

この命が果てようとも。

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丸い形は、わたしの大好きな形です。

それは、いろんな形に変えられるやわらかい形。

三角、四角、ハート型に星型も。

なんにでも。

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丸いものはたくさんある。

大規模でいえば、地球や星、月に太陽。

世界は丸でできている。

車のタイヤ…なんてあまりにも普通すぎるけど。

人や動物の頭も丸い。

目も丸い。

口も開けば丸くなる。

手も握れば丸である。

指先一つ、指紋を付ければ、それも立派な丸なのだ。

丸は、とてもきれいな形だと思う。

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それは“えん”とも呼ばれる。

丸い“えん”には、円と縁がある。

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円はお金。コインの形も丸だしね。

お金はめぐる。

人から人へと回っていく。

円(¥)があるから生活ができる。

人は生きていける。

今の経済社会なんて、円が欠ければ本当になにもできなくなる。

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そして、縁は人と人とのつながり。

縁があるから人と人は出会い、知り合い、愛し合う。

それは、目には見えない、形のないモノだけど、しっかりと円を描いているとわたしには思えてならない。

円も、縁も、人が生きていく上ではとても大切なものである。

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そういえば、わたしが絵を描くと、丸をモチーフにしたものが多い。

無意識のうちにそれを意識していたのかもしれない。

それにほら、人の手は筆をとって線を描くとカーブして、やっぱり円を描いちゃう。

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“まる”はとても、とても、やさしい形です。

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Santa Claus's coming to town

アラスカの奥地にサンタさん一族は住んでいるらしい。

彼らはクリスマスの日になると、国を出て世界中のよい子たちにプレゼントを配るという。

大人になるとサンタさんは本当はいないと言う。

「わたしは、僕は、サンタさんはいるとしんじています」なんて言ってみて。

笑われる。

でもね、サンタさんは本当にいるんだよ。

アラスカの奥地に。

「じゃあなんでプレゼントをくれないんだよ!おれ、いい子にしてたのに」

今こそ秘密を明かそう…!

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クリスマスイヴの朝に彼らは村総動員で抽選大会を行う。

世界中のすべての子供の名前を連ねて。

よい子も悪い子も関係なく。

だって、子供は子供だもん。

なにくじで引くのかはここでは明かせないが、くじに当たるのは世界でたった一人だけ。

だからね、よっっっっぽどくじ運がよくないと当たらないの。

よって、サンタさんに逢った子供は必ず幸せになれるという。

そしてその世界一幸運な子供にプレゼントを渡すための旅費がかなりかかってしまうため、サンタさんもその年に選ばれた人ひとりだけが行くのです。

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ね?わかった?

サンタさんはいないんじゃなくて、なかなか逢えないだけ。

もう「サンタはいない」なんて言わないで。

今年こそあなたのお家に来るかもしれないのだから…

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プチファイヤー

ゴロゴロ……ゴロゴロ…

「雲行きが怪しくなってきたよ。ひと雨きそうだからもうちょっとここにいなよ」

さっきまですっきり晴れ渡っていた青空に、灰色がかった雲が遠方からこちらへ近よってきた。

どんどん、どんどん広がっていく。

「ありがとう。でも…いいよ。もうここにいたくないもの」

彼女はつい先ほど上司と喧嘩をして、会社を辞めてしまった。

無理矢理笑顔を作る彼女の顔には明らか不機嫌の文字が刻まれていた。

「そんな……」

彼女は仕事をよくこなし、効率がよかった。そして唯一、わたしが会社で仲のいい人だった。

公私共に、彼女に会社を辞められたのはとても残念で悲しかった。でも無理も言えず、わたしは仕方なしに彼女の背中を見送った。

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「…本当に帰ったの?」

そこはマンションの一室を借りた小さな事務所。

女性である社長がわたしが部屋に入ってきたのを見て、意味惜しげに聞いてきた。

「まったく!ちょっと怒鳴っただけで辞めるなんて…!」

社長も本当は彼女の仕事振りを認めていた。

街を一望できる窓際に近づき、彼女はため息をついた。

「…………」

わたしは彼女の背中を見つめる他なかった。

灰色の雲が速度を上げてこちらに近づいたのを感じた。

ビッカ―ッ!!! ゴロゴロ…!!

空から物凄い音をたてながら、わたしが目の当たりにしたのは世にも恐ろしい光景だった!

一瞬の強烈な光に射られてしまい、辺りが真っ白になった!

その白い世界に龍の形をしたイナズマが左から右へと横に走った!

視力が戻り、街の景色がやっと見え始めたこの目に映ったのは、雲間に見たこともないような太く短く光るイナズマだった。

次の瞬間、スッと消えたはずのイナズマの光の玉となって、目の前に広がっている街に容赦なく堕ちた!!

ド――ン!!!

一瞬にして街は火の海となってしまった!!!

「キャアアアアッ!!!」

わたしはあまりの恐ろしさに叫び声を上げずにはいられなかった…!

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ゴ――ン!ガシャ――ン!!ゴゴ――ン!!!

「ハッ!」

AM10:00を過ぎていた。

起床。

向かいのマンション、工事中。

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…つまらないですね。こんなオチ。

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風のつばさ

穏やかな日々

風車がゆっくり、ゆっくりと回り始めた。

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草原を駆け巡り

山を通り抜け

大海原を走り行く

少し強気になって

少しわがままになって

ときどき喧嘩をする。

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太陽を親とよび

月を兄弟にもつ

空をお供に

雲と友達に

小鳥のさえずりを耳にし

魚のまなざしを目にする。

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動き回ることが大好きで

ひとつの場所に留まらない

けれど恋しくなって、舞い戻る。

たっぷり時間をかけて

世界を巡る。

さわやかに走り抜け

季節を味わい

雪を溶かし

春を彩る。

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華奢で

繊細で

ときどき強気

ときどき図太く

みんながそこにいて

あたしがここにある。

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あたしは風。

星に生きる風。

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normal

神戸上空にブ厚い雲、

それを通り抜けると関西国際空港に到着。

本日、4泊4日の上海帰省から帰りました。

飛行機に乗るのが好き。

飛ぶ瞬間

雲に入る瞬間

雲間を通る瞬間

抜け出る瞬間

そして真っ青な空が一面に広がる瞬間……

不思議な感覚にとらわれて、まるで別世界に入ったような、なんともいえない心地になる。

下一面に広がる雲の海を見ていると、

綿布団の上に飛び込んで、寝っころがる自分を想像する。

………メチャクチャ気持ちいい!!!

空の上から見る太陽は格別だ。

朝日も夕日も、想像以上にキレイ!

生まれて初めて飛行機に乗ったときの事…

上海からシンセン(香港のすぐ南に位置する都市)へのフライトだった。

西の窓側から見えたのは、

アーチを描いた地球と、その向こう側に沈みゆく、オレンジ色に輝く夕日…

そのあまりの美しさに、幼かった心はうばわれた。

完全に沈むまで見つめ続け、そして目を閉じ、その残像を思う存分堪能した。

ハワイに行ったときには夜空を見た。

空一面…ではなく、前も後も、右も左も、無数の星屑が光り輝き、夜空を賑わいた。

前方モニターには操縦室から見える景色が映し出され、まるでその星たちに向かって飛んでいるようだった。

初めて、空いっぱいに星があることを実感した瞬間だった。

船に乗るのも好き。

波に軽く揺らぐは、ゆりかご気分。

揺れすぎると気持ち悪くなって、立っていられなくなるけどね。

船の先端に立つと、タイタニック気分。

なんて、縁起でもない…かな。

天気のいいときは、海面に映る雲の影

船と共に進むトビウオの群

潮風に海の香

海以外はなにもない風景

広がる開放感。

時々、センチメンタルにいろんな事を想ってみる。

雨が止めば大きな虹が見える。

陸で見るのとは違い、虹色の輪が海面のすこし上をかすれ、太陽の周りを囲む。

青い空に虹色の円を描く……自然という名の画家は単純な色合いで魅せるのだ。

だけど夜の海は恐ろしい。

四方から迫り来る暗闇には光ひとつない。

境界線が消え、

空と海はひとつになる。

闇以外はなにも見えない。

1分と見ていられないのに、その印象は強烈なものだった。

でも、夜が恐ろしい分、日の出は格別に美しい。

淡い橙色が東の空を染め始めると、卵黄のような金色を放ちながら太陽が顔をのぞき出す。

瞬く間に登りきり、眩しい光で全てを明るく照らし始める。

乗り物に乗っている時間が好き。

目的地に着くまでに景色を堪能するの。

忙しい生活の中では気づけないものに目を向けてみる。

新発見する。

感動する。

飛行機や船だけじゃない。

電車やバス、通勤中に、通学中に。

自然からのプレゼントに感謝します。

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スノウホワイト

初雪だあああああ!!!!

三ノ宮にて、本日(師走29日)の正午過ぎに、お日様のもとで雪が舞った。

(やけに寒いな~と思ったら…)

パラパラと降り始めた小雨が雪に変わった瞬間、

「雪だ―――!!!」

と、思わず興奮してしまった。

いよいよ冬らしくなってきました。

私は雪が大好きなのです!

寒いのは苦手な私だけど、雪を見るとあまりのハイテンションに寒さをも忘れてしまう。

なぜ雪が好きなのかというと…

上海はめったに雪が降らないから。

神戸より南緯10度も南に位置する上海は暑い!!夏は40℃を越す猛暑。

私が上海で暮らしていた10年間の内、雪の記憶があるのはたったの一回。

それもパラっと降っただけで…

でも気温が相当下がっていた年だったので、当時(なぜか)コンクリートだった学校の運動場に所々氷が張っていたから、大はしゃぎしてその上を滑って遊んでいたら、派手にこけて大ケガした憶えがある。

上海生まれの私にとって、雪は憧れそのものである。

神戸に来た最初の冬は大雪が降って、足のすねまで雪が積もったのを覚えている。

雪だるまつくったり、雪合戦ができるぐらいだった。

「日本ってこんなに雪降るんだあ!」

と喜んでいたら、神戸はそうではなかった。

どちらかと言うと降らない年の方が多いみたい。

(なんだかんだで神戸と上海の天気は似ている)

そういえば中三の時も結構雪が降った。

受験を控えていたので、学校の早朝勉強に参加するため、親友のいっこと登校していると、私ははしゃぎすぎて氷の上を踏んで遊んでいたら見事にこけちゃって溝にはまったことがあった。両膝には血の滴る………朝一で先生に手当てしてもらったっけ…(余談)

雪国ってすばらしい!

行った事はないけれど、一面綺麗な銀色の世界なのだろう…!!

だけど、私にとっては憧れの雪でも、その世界に住む人々にとっては恐ろしい自然の創造物なのかもしれない。

年間大雪に見舞われて亡くなる人はどれほどいるのだろう……

雪にまつわるこんな話を本で読んだことがある。

―――むか~し昔、まだ生物が誕生する遥か前…神様は世界を創ろうと太陽に黄色(金色)、空に青、木に緑、花に赤と万物に色を与えた。

しかし冬になり雪は自分にだけ色がないことに気づき、神様に「色を与えてください」と頼みに行った。

だけど神様は全ての色を与えてしまって、もう色が残っていなかった。

そこへ白がやってきて雪に言った、

「わたしはどんな色にも染まってしまうため、神様はわたしを何にも与えさせてくれなかった。こんなわたしでもいいというのなら、あなたに付いて行きます。」

雪はとても嬉しかった。

白と共に冬の風物詩となって一面に降り積もると、太陽の色、空の色、木の色、花の色を反射させて虹色に輝いたのだった―――…

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