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エモーション

「恋の季節のにおい」というのは、人それぞれにあるのでしょうか。

わたしにとっては、4月から5月にかけて、緑薫る豊かな季節にそのにおいがある。

そのにおいが鼻先をくすぐると、いつも大好きな人が記憶の中をめぐるのだ。


どうして、こんなことを綴っているのかというと、文章からは溢れ出る気持ちや感覚を味わうことができることを思い出したから。

この頃、淡々と綴る文章になっていることが多く、感情が込められていない。

これでは、どんなに書き進めても文章力の先へは行けないでしょう。

「文章力の先」、それはなんなのでしょうか?

それは「感情」なのだと、わたしは思う。

そもそも、文章は感情でできているんじゃないだろうか?

感じる想いが多ければ文章はあふれ出し、少なくなると、必然的に減ってしまう気がする。

だから、何かの文章を書きたいときは、まず感じることを大切にしたい。


こんな風に思ったきっかけは、清水義範さんの「心を操る文章術」の最後の章を読んだところだった。

「第5章 文章で和ませる」の中で紹介された阿川佐和子さんのエッセイを読んで、ケーキのお話なのだけれど、なんとなく恋の季節のにおいを思い出した。

ああ、そうか。文章というのは感じるままに綴ればいいんだ。

そうすればリアルな感情をもって、読者を引き込ませられるのかもしれない。


いま、「東京電力」の記事を書いている。

企業に関する記事というものは、中立的で、感情をおもてに出してはいけない。

読者の感情を揺さぶり、テーマとなっている企業に損害を与えてしまっては訴えられかねないから。

そんなことをずっと心に留めていると、どのような視点をもって書けばいいのか、ときどきわからなくなってしまう。

けど、やっぱり自分が感じることを書くのが一番かなと、そう思った。

イラストやデザインも同じで、テーマやコンセプトに沿って描くけれど、見る人の心を動かすものはやっぱり「感情」なのだ。


感情があるからこそ、見る人にも想いが伝わるのだろう。

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